2010-12-26

10.12.25 読図講座・実践編(噛伊尻)

三週連続となる読図講座の最終回。先週・先々週行われた机上講座の知識を総動員して実際に山を歩いてみましょう。




天候:快晴のち晴れ
気温:-5.5℃
風速:W0.8m/s



参加者:3名様
ガイド:土栄



行程
10:05 タカス峠 発
10:34 312 着
10:59 312 発
12:38 380 着

お昼

13:11 380 発
14:28 タカス峠 着



所要時間:4時間23分
  登り:2時間33分
  下り:1時間17分
歩行距離:3.4km
累積標高:±193m



山行の様子
荒天の予報に反して気持ちの良い青空の広がるタカス峠。ぐっと冷え込んだ朝ですが、太陽の光を浴びるとさほど寒くは感じません。今日は立ち止まって地形図を読んだりコンパスを扱わなければなりませんので、寒すぎないのはありがたいことです。

まずは車道上に和寒町と鷹栖町の町境があることを確認します。これで地形図上で現在位置を正確に把握できます。

それにしてもなんと爽やかな空でしょう。吹雪くことも覚悟してきたので、あまりの穏やかさにいささか拍子抜けしてしまいます。

積雪は少なめ。せいぜい40cmほどしかありません。笹や灌木、倒木がまだ雪に埋もれきっていません。先日の暖気と今日の寒気で雪がしっかりと締まっているのが不幸中の幸い。

標高点312に着いたら、ここでたっぷりと実技の時間を取ります。まずは山座同定を行いましょう。あそこに見える山は地形図上でどれに当たるかわかりますか?

冬の難しいところは手袋をしたままでコンパスを扱わなければならないところ。いちいち素手になるわけにはいきません。

山座同定のやり方をしっかり確認したら、次はこれから進む方向をコンパスで指し示します。コンパスの指す方向を信じて進みましょう。

地形もしっかり観察します。ここは左から尾根が合流してきて右には沢があってその奥に平らな尾根が延びている場所です。地形図と見比べると・・・そう標高点380のわずかに手前ですね。みなさん大正解でした。

笹に隠れて風を除けて、お昼休憩にしましょう。短い距離しか歩いていませんが、脳をフル回転させていますからエネルギー消費は激しかったかもしれません。

帰りは行きに歩いたトレースを淡々とたどるだけ、と思ったら大きな間違いです。わずかにコースを変えて、地形と地形図を確認しながら行きますよ。

2010-12-18

10.12.18 読図講座2座学編(応用)

読図講座・座学の2回目です。前回は地形図の読み方の基本を学び、今回はより山行に即した実践的な内容を勉強します。



参加者:5名様
講師:土栄



内容
1 復習
1-1 ピーク
1-2 コル
1-3 尾根
1-4 沢
2 コンパスの使い方
2-1 準備
2-2 コンパスでできること
2-3 尾根の方向を確認する
2-4 山座同定
3 ルートを読む
練習問題



講座の様子

会場は前回同様、旭川市中心部にあるCoCoDe。煉瓦造りの渋い建物です。

まず前回の内容を軽くおさらいして、今日はコンパスの使い方をしっかりと覚えましょう。地形図上でしっかり合わせて、

立ち上がってコンパスの導きに従い体を回転させます。みなさん同じ方向を向いているということは、正しい使い方をしたということですね。

計3時間に及ぶ講習の合間には、お客様がお持ちくださった果物をいただきつつ一休み。楽しいおしゃべりの後は再びみっちりと頭を使います。

2010-12-11

10.12.11 読図講座1座学編(基礎)

昨年までは「コンパス講習」と称して座学+実践を1日で行っていましたが、今年は座学2回・実技1回の計3回に大幅に拡充されました。今日は座学の1回目。さて、その様子は?



参加者:5名様
講師:土栄



内容
1 読図とは何か
1-1 地形図を見て山の形を想像する
1-2 地形図上で現在地を推定する
1-3 今日学ぶこと
① 等高線とは
② 尾根を見つける
③ 沢を見つける
④ 等高線からルートの変化を想像する
2 等高線
2-1 等高線とは
2-2 尾根と沢
2-3 尾根と沢の等高線
3 尾根を引く
3-1 尾根を探す
3-2 ピークから沢へ続く尾根
3-3 ピークからピークへ続く尾根
4 沢を引く
4-1 沢を探す
4-2 流域毎の違い
5 尾根と沢の入り組んだところ
6 練習問題



講座の様子

座学の会場は、旭川駅からほど近い「旭川市市民活動交流センターCoCoDe」。感じの良い煉瓦造りの建物は、旧国鉄の工場として明治時代に建築されたものだそうです。

煉瓦を活かして改修されているのがいいですね。

この日のために、レジュメ・資料ともに頑張って作成しました。量は結構ありますよ。

練習問題もたくさんご用意しました。きっと地形図の読み方の基礎をご理解いただけたはず。次回はもう一歩先に進みますよ。お楽しみに!

2010-11-13

10.11.13 オロフレ山(1230.7m)

尾根通しの稜線から、右に太平洋、左に羊蹄山と、見事な展望が広がるオロフレ山。夏山シーズンを締めるべく、はるばる登別まで足を延ばしました。





天候:ガスのち晴れ
気温:3.0℃
風速:S2.3m/s



参加者:4名様
ガイド:土栄



行程
08:28 ゲート 発
09:04 オロフレ峠 着
10:38 オロフレ山 着
     お昼
11:00 オロフレ山 発
12:08 オロフレ峠 着
12:50 ゲート 着



所要時間:4時間22分
  登り:2時間10分
  下り:1時間50分
歩行距離:10.4km
累積標高:±623m
歩数:16164歩



山行の様子

道道2号から分岐してオロフレ峠に通じる車道は既にゲートが閉ざされています。2.5kmの道のりをテクテク歩くことに。

30分ほどでオロフレ峠到着です。出発時よりも若干ガスが薄くなったようです。雲底もわずかに高くなったか。

オロフレ峠を後にして登山道に足を踏み入れます。前半は尾根上をほぼ平坦に。登山道上には融け残りの雪がうっすらと積もっていました。

尾根の北側斜面では、背の低いダケカンバにびっしりと氷が着いています。

登山道後半は急登に一変。岩の上に雪が乗っていて滑りやすいですよ。要注意。さっきよりもさらにガスが薄くなってきました。歩いてきた道が白い一筋の線となっています。

オロフレ山山頂到着。残念ながらガスのただ中です。景色は望めないか。

と思いきや、出発するまさに直前に突然ガスが晴れていったのです。見よこの清々しい青空!

そうとなれば、さっきまでハッキリと見えなかった景色を堪能できます。連綿と続く稜線と登山道は一瞬万里の長城を思わせます。

登りではわかりませんでしたが、オロフレ山はこんな形をしていたのです。なかなかに堂々とした山容ではありませんか。

行きには長く感じた舗装路も、このお天気なら楽々?

2010-11-07

10.11.07 旭岳(2290.9m)

みなさんおなじみ、北海道最高峰・旭岳。すでに雪に包まれた初冬の山頂を目指します。





天候:濃霧
気温:-2.1℃
風速:N13.4m/s



参加者:4名様
ガイド:土栄



行程
09:35 姿見駅 発
09:55 避難小屋 着
10:33 六合目 着
11:26 折返点 着

11:30 折返点 発
12:03 避難小屋 着
12:54 姿見駅 着



所要時間:3時間19分
  登り:1時間51分
  下り:1時間24分
歩行距離:4.3km
累積標高:±434m
歩数:4671歩



山行の様子

ロープウェイ姿見駅から出ると、そこは一面の雪の世界。冷蔵庫の霜状の雪が建物にびっしりと着いています。

足下はスノーシューで。いよいよ冬山の季節到来ですね。

ほんの2ヶ月前には紅葉真っ盛りだったナナカマドも、今や葉を落とし白いオブジェへと姿を変えました。

これまた真っ白な姿見展望台・愛の鐘。ガスが深くて展望台からは何も見えません。ここから登山道本番です。

視界がないまま6合目・7合目と標高を稼いでいくと、徐々に風が強くなってきました。風速計で計測してみると、なんと瞬間最大風速18.9m/s。これはたまらんと、8合目手前で引き返すことにしました。

ほんの一瞬だけ垣間見えた青空。予報では晴れでしたが、さすがに高峰となるとそのまま当たるわけもありません。

遠望が効かないので、足下のエビのしっぽを愛でながら下っていきます。

鏡池とすり鉢池の間には岩が露出しています。白一色に疲れた目には岩が新鮮で優しい色に思えます。

出発時よりはだいぶ視界がよくなってきたようです。

冷えたからだを暖めながら、駅舎でお昼休憩。暖房のありがたさをしみじみ感じます。

2010-10-31

10.10.31 ピヤシリ山(987.1m)

短時間で登れる低山なのに、登山道は変化に富み、山頂からの景色は絶品。ピヤシリ山は晩秋に訪れるには最適な山のひとつです。





天候:快晴
気温:10.2℃
風速:E2.6m/s



参加者:3名様
ガイド:土栄



行程
08:27 林道終点 発
09:18 ピヤシリ湿原 着
10:49 ピヤシリ山 着
11:05 避難小屋 着
     お昼
11:45 避難小屋 発
12:49 ピヤシリ湿原 着
13:31 林道終点 着



所要時間:5時間04分
  登り:2時間38分
  下り:1時間46分
歩行距離:8.1km
累積標高:±568m
歩数:11164歩



山行の様子

標高550mの林道終点が今日の登山口。あたりはすっかり雪に覆われています。

御車の滝を越えると最初の急登が現れます。積もった落ち葉の上に雪が被さり、これ以上ない登りにくさです。ゆっくり注意深く足を置きましょう。

登りきると平坦な広場に出ます。ピヤシリ湿原の端の方です。正面にはこれから登るピヤシリ山東峰が見えています。

湿原を越えると今日二回目の急登。雪が深くなってきて歩きにくさ倍増です。先行者の足跡がなく、笹が覆い被さってきているので、登山道を探すのが若干難しいかもしれません。テープや標識は一切ありませんので、これから登る方はご注意を。

カヌマップの岩(と登山口の看板に書いてありました)の根元を巻けば東峰はすぐそこ。東峰もぐるりと巻いて、後は山頂まで平坦な展望散歩、

東峰もぐるりと巻いて、後は山頂まで平坦な展望散歩、のはずが、雪の重みで頭を垂れたハイマツが行く手を遮り、薮漕ぎ・薮くぐりに時間を費やす羽目に。たまに歩きやすい場所に出るとホッとします。

ようやくピヤシリ山山頂到着。真っ青な初冬の空が広がっています。

南には遠くにうっすらと大雪山が見えていました。

しばらく景色を楽しんだらお昼休憩は山頂直下の避難小屋で。ほんのわずかの距離ですが、ここのハイマツ漕ぎも難儀でした。

南向きの窓から昼下がりの陽光が射す暖かな小屋。ありがたく休憩させていただきました。